イーロン・マスク氏が米国証券取引委員会(SEC)との和解に合意したと報じられている。ツイッター(現X)の株式取得時における情報開示義務に関する違反で、約2億3000万円の制裁金を支払うことで決着がつく見通しとなった。
マスク氏は2022年4月、ツイッターの株式を大量に買い増す過程で、保有比率が5%に達した際の開示が遅延していたとされている。SECの規則では、議決権株式の5%以上を保有する場合、4営業日以内に公開買付報告書(Schedule 13D)を提出する義務がある。同氏の場合、この開示が10日以上遅れたと指摘されており、これが市場操作につながる可能性があると当局は判断していたと考えられる。
今回の和解は、マスク氏とSECが数ヶ月間の協議を経て合意に至ったものとみられる。制裁金の額としては相対的に小さいものとなったが、この決着によってマスク氏の法的リスクが大幅に軽減されることになる。業界関係者からは、規制当局と企業幹部の対立が深まっていた状況からの転換として受け止められている。
マスク氏のツイッター買収をめぐっては、他にも複数の訴訟が進行中だと報じられている。今年に入ってからは株主訴訟や労働法違反の訴えなど、様々な法的課題に直面していた。本件の和解は、これらの課題を一つ一つ解決していく過程での重要なステップと位置づけられるだろう。
SECとの関係改善により、マスク氏がXの経営に専念できる環境が整いつつあるとみられる。今後、X(旧ツイッター)がどのような事業戦略を展開していくのか、市場からの関心は引き続き高い。