イーロン・マスク氏がAI企業のアンソロピックとの関係を急速に深めていることが明らかになった。複数の業界関係者への取材で、マスク氏がアンソロピックの経営陣との会談を重ね、同社の事業展開に関与を強めていると報じられている。この動きはOpenAIに対する包囲網を構築する戦略の一環とみられる。
マスク氏はかつてOpenAIの共同創設者として同社の立ち上げに携わったが、2018年に経営から身を引いている。近年、OpenAIの急速な成長とChatGPTの市場支配に対する危機感を募らせているとの指摘がある。アンソロピックとの接近は、OpenAIへの対抗軸を作る意図が背景にあるとみられている。
一方、マスク氏自身が開発を進める自社AI企業の進捗に課題が生じているという。関係者によれば、同社のAIモデル開発において技術的な遅れが指摘されており、市場での競争力強化が急務となっているとのことだ。このため、外部との提携やアンソロピックとの協力を通じて、技術的なギャップを埋める戦略を取っている可能性が高いとみられている。
アンソロピック側も、マスク氏との関係構築により、資金調達や技術開発における新たなパートナーシップの可能性が広がるとして、これを前向きに捉えているとの報告もある。AI産業における大手企業間の勢力図が急速に変動する中、マスク氏の動きはAI業界全体の構図を左右する要因となる可能性がある。
AI市場の競争はさらに激化するとみられ、今後のマスク氏の具体的な投資や経営判断がAI業界の発展を大きく左右することになるだろう。