SpaceXは2026年5月6日、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」の世界累計ユーザー数が1億人を超えたと公式に発表した。2021年のベータ版提供開始から約5年での達成であり、イーロン・マスクCEOはX上に「これはインターネットアクセスの民主化における節目だ」と投稿した。サービス提供国は現在107カ国に及んでいる。
ユーザー増加の背景には、低軌道衛星(LEO)の大規模展開がある。Starlinkは現在6000基以上の衛星を運用しており、レイテンシは平均25〜35ミリ秒と、かつての静止軌道衛星(600ミリ秒超)と比較して劇的に改善されている。ダウンロード速度は一般ユーザー向けプランで100〜200Mbpsを安定して提供できるようになり、動画会議やオンライン教育にも対応できるレベルに達した。
成長を牽引しているのは農村部と途上国市場だ。米国では固定ブロードバンドが届かない農業地帯やアラスカなどの遠隔地でのシェアが急拡大。アフリカ市場ではナイジェリア、ケニア、南アフリカを中心に前年比で3倍超の伸びを記録しており、モバイルデータ通信の代替として受け入れられている。
テレコム業界では警戒感が高まっている。日本のNTTやKDDI、韓国のSKテレコムなど主要キャリアは、Starlinkのカバレッジ拡大が地方の固定回線ビジネスを侵食し始めていると分析している。一方でStarlinkとの提携を模索する動きもあり、ソフトバンクグループは共同展開に関する協議を進めていると報じられている。
SpaceXはさらなる高速化を目指し、次世代衛星「Starlink V3」の量産を進めている。V3は帯域幅が現行の10倍に達すると予告されており、2027年中に部分サービス開始を目指している。1億ユーザー突破は単なる通過点に過ぎず、マスク氏は「50億人をオンラインにする」という目標を繰り返し強調している。