宇宙開発ベンチャーのスペースXが近く実施する上場計画が、業界内で大きな波紋を広げている。複数の関係者によれば、同社の時価総額評価額が日本の年間予算規模の約13倍に相当する規模に達する見通しとなっており、同時期の大型新規公開株(IPO)候補3銘柄との競争構図が鮮明になってきた。
スペースXは現在、衛星インターネット事業「スターリンク」の拡大に注力しており、その収益化の進展が評価額を押し上げている。衛星打ち上げロケット「ファルコン9」の再利用技術確立により、宇宙輸送コストの革新的な削減を実現した同社は、官民を問わず多くの衛星打ち上げ需要を取り込んでいるとみられている。この成功が、投資家からの期待値を大きく高めている。
一方、スペースXと同時期のIPO予定企業として注視されている3銘柄は、いずれも異なるセクターに属しており、スペースXとの比較で明らかになる市場評価の差が指摘されている。業界アナリストの分析によると、宇宙産業への投資熱の高まりが、従来型業種のIPO企業との評価ギャップを拡大させているという。スペースXの圧倒的な時価総額は、宇宙ビジネスの成長性に対する市場の強気姿勢を象徴しているとの指摘もある。
ただし、大型IPOの同時期実施は、市場全体の資金配分に影響を与える可能性も懸念されている。複数の金融機関関係者は、個別企業の競争力よりも、市場全体の吸収力が重要な変数になると述べている。スペースXの成功如何によって、他企業のIPO価格決定プロセスにも波及効果が生じる可能性は高いとみられている。
スペースXのIPOは宇宙産業の商業化における新たなマイルストーンとなる見通しである。今後、同社の上場が実現した場合、宇宙関連企業への投資環境がどう変化するのかが、業界全体の成長軌道を左右する重要な要素となるだろう。