米証券取引委員会(SEC)とSpaceXは2026年5月8日、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)によるTwitter(現X)株の大量取得に関する証券開示義務違反疑惑について、約1億ドル(約150億円)の支払いで和解することに合意した。SECが連邦地裁に提出した書類で明らかになった。
問題の発端は2022年初頭にさかのぼる。マスク氏はTwitter株を5%超取得した後も、法令で定められた期限内に開示書類(13Dフォーム)を提出しなかったとされる。SECによると、この遅延によりマスク氏は株価上昇前に大量取得を続け、少なくとも1億5000万ドル相当の利益を得た疑いがある。マスク氏側は疑惑を否定しつつも、長期的な訴訟リスクを回避するために和解を選択した模様だ。
今回の和解はSpaceX本体の事業への影響はほぼないとアナリストらは見ている。同社は現在、Starship宇宙船の商業運用に向けた最終調整段階にあり、NASAや防衛省との大型契約が続いている。投資家からは「不確実性が解消された」として株価への好影響を期待する声も出ている。
テクノロジー業界の法律専門家は「マスク氏にとって和解は賢明な判断」と評価する。仮に裁判に移行した場合、CEOとしての信頼性への打撃や、複数企業のIPOに影響が出る可能性があったためだ。一方、SECにとっても、テスラ訴訟に続く象徴的な成果として位置づけられるとみられる。
今後の焦点は、マスク氏がDOGE(政府効率化省)を通じた政府関与をいつまで継続するか、そしてSECとの関係が今後どう変化するかにある。一部の法律関係者は、和解条件に行動規制が含まれているかどうかに注目しており、詳細の開示を待っている状況だ。