xAIは2026年5月7日、大規模言語モデルの最新版「Grok 3.5」を発表した。最大の特徴は、Xプラットフォーム上の投稿をリアルタイムで解析・参照する能力と、テキストプロンプトから最大60秒の動画を生成する「Aurora Video」機能の統合だ。xAI Premium+加入者向けに即日提供が始まり、一般ユーザー向けのGrok 3.5ベーシックは6月から段階的に展開される予定。

Grok 3.5のベンチマーク性能についてxAIは、数学的推論(MATH-500)でGPT-4oを上回り、コーディング能力(HumanEval)ではAnthropicのClaude 3.7 Sonnetと同等水準だと主張している。独自の強みは「リアルタイム性」にある。Xの投稿データへの独占アクセスにより、速報ニュースや市場動向、世論の変化を他のモデルより数時間早く反映できるとしている。

動画生成機能「Aurora Video」は最大解像度1080p、60秒までの動画をテキスト指示から生成できる。xAIによるデモ映像では、ニュース速報の概要テキストを入力すると、グラフやアニメーション付きの解説動画が自動生成される様子が公開された。Runwayやソラ(OpenAI)との直接競合に踏み込む動きとして業界から注目されている。

AI業界のアナリストは「XとGrokの垂直統合はユニークな差別化要因」と評価する一方、プライバシー問題を懸念する声もある。Xユーザーの投稿が学習データとして利用される範囲について、欧州のデータ保護当局(GDPR規制当局)がxAIに説明を求める書簡を送ったと報じられている。

今後の展開としてxAIは、企業向けAPIの強化と日本語・中国語などの多言語対応の大幅改善を予告している。特に日本市場については独自のパートナーシップ展開も示唆しており、国内の企業ユーザーや開発者コミュニティから関心が高まっている。